エスファハーン観光

スィー・オ・セ橋

エスファハーンに到着した時に車窓から見えた橋が気になっていたのでまずは歩いてそこに向かった。 長さ300m、幅14mのスィー・オ・セという橋だ。

川には幾つかの橋がかかっているが、その中でも人通りが多く一番賑わっているようだ。 ただの橋ではあるが、外観も綺麗だし、橋からの眺めもまずまずで、日差しはキツイがなかなか歩いていて気持ちが良かった。 周辺もちょっとした公園や遊歩道になっているので散歩コースに持って来いといった感じだ。

ヴァーンク教会 教会が点在するジョルファー地区

途中でタクシーをつかまえてジョルファー地区に向かった。 ガイドブックによると乗り合いで1万、チャーターでも3万少々の距離だったが、乗り合いで15万もかかった。 ボッタクリとかほとんど無いと思っているが、腑に落ちない感じだった。異教徒の地区だから良く思われていないのかとも思ったが、 後ほどホテルで相場を確認したらそんなもので、物価上昇が半端ない。

ジョルファー地区はアルメニア人の居住地区でかつて6万人が住んでいた時期もあったようで、この地区には13の教会が点在している。 その中で一番有名なヴァーンク教会に足を運んだ。聖堂内部の壁画は金色を基調にびっしりと描かれていて見事なものだった。 また、ペルシャ様式とも融合していて、今まで見た教会とはまた違った感じがして面白い。 ジョルファー地区を散歩した後、今度はローカルバスで戻ることにした。乗るのも降りるのも難しいが、あえて一度は試したいところだ。

次のスポットに訪れる前に、高級ホテル併設のレストランでランチをとった。これまであまりまともな物を食べていなかったが、 ブッフェ形式でいくつかのイラン料理を味わうことができたので満足だ。そしてエマール広場に向かいつつ、途中の公園で子供を遊ばせたりもした。 イスファハンの公園も安全に遊べるようには配慮されており子供に優しいと感じる。

エマール広場

もはや定番スポットといった感じで、時間が空けばとりあえず足を運ぶようになってきた。それだけ多くのものがエマール広場には集まっているのだ。 アーリー・ガープー宮殿というところを見学した。急な階段を上り、最上階に到着すると独特の装飾が施されている天井が目に飛び込んできた。 これまで見た華やかなドーム状の天井とは違い、ずいぶんと地味な印象だった。どうやら音楽室として使われていたようで、装飾的な穴は演奏の余分な音を吸収するために計算されて空けられているようだ。

その後、芝生でのんびりとしていると一人のイラン人が声をかけてきた。文化とかに興味があるようで、あなたの国について色々教えて欲しいといった内容だった。 彼の名はマッシー。大学を出たあとに何かのプログラムで勉強をしているようだ。

まあまあ話し込んで、途中から近くのお店でお茶を飲みながら話すことにした。そして、景色が良い山があるので連れて行きたいと言われ誘いに乗ることにした。 車での移動だったので嫁は心配な様子だったが、事前に得ていたイランの情報と、実際に接した印象や状況的にも問題ないと思った。 とあるガイドブックにもイラン人の誘いはすべてOKと書かれているくらいだ。

夜景の見える山へ

イスファハン市内から車を走らせること30分くらいだろうか、これから上る山の麓あたりにたどり着いた。 車の通りが多く、山の入り口付近にはおびただしい数の車が駐車されていて、駐車させる場所を探すためにグルグル走り回ったくらいだった。 ガイドブックには載っていないスポットだが、現地の人には有名な場所のようだ。

街並みを見下ろせる展望スポットまではそれほど歩かずにたどり着け、少し疲れるがベビーカーを押しても登れる位のゆるいハイキングコースだ。 到着した頃はまだ明るかったが、日が落ちるにつれて黄色みのある街の光が広がってとても綺麗な景色だった。 ゴールデンシティとも言われているようだが、都会ように白色っぽい景色よりも、温かみがあって好きだ。

ガッツリと登山をすることもできるようで、登山杖を持った4人組に遭遇した。 夕方からの登山なのですぐさまテントを張る様子だが、なんとホームメイドお酒を持っていて、一杯ご馳走してくれた。 イランではお酒はイリーガルだが、山では監視の目が薄いのでこっそり飲むこともあるようだ。 そしてこの山にはカップルも多い。恋愛事情も厳しく、街ではキスどころか手をつなぐこともできないので、カップルがグループで訪れるようだ。 法的や不道徳な問題の裏事情を目に出来た点も面白かった。

アッバースィーホテルの中庭にて

帰り際に街で一番の高級ホテルであるアッバースィーホテルに立ち寄った。観光客も宿泊するが、現地の人も結婚式や顔合わせなど特別な日に利用するみたいだ。 このホテルには一般開放されている中庭があって、宿泊しなくてもレストランだけ利用することもできる。 ティーとヨーグルトのようなイランのデザートを味わいながらマッシーと会話をした。 途中からイランが他国から受ける国際的な問題について熱く語られた。

これとは直接的な関係は無いかもしれないが、日本人のイランに対するイメージが良くないことについて自分らもマッシーも悲しく思う。 テレビなどの一方的な情報や、中東=危険という漠然としたイメージで判断する人が多いが、実際には全くそんなことはない。 自分で触れてみたり、情報を集めたうえで判断していかないといけないと思う。

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